2016年11月に、DeNAが運営していたまとめサイト(キュレーションメディア)の「ウェルク」が医療・美容・健康などの記事に、誇張や薬事法違反の可能性がある記事多数あるとの指摘をけて、独自調査の結果、500本の記事が非公開となった。
その後、外部のライターへの記事委託などで大量の記事制作を行い、その力でネット上からの集客を行うビジネスモデルの欠陥が次々に発覚。
8000文字前後の記事を、1日に100本もアップし、
記事の品質チェック、ファクトチェックもないまま、
他サイトからコピー・流用した低品質の記事がネット上を席巻するようになった。
健康などに被害を及ぼす可能性のある誤った記事が出回っていることに対して
医師などからのクレームが頻発し、事態が発覚し、
ウェルクは閉鎖に追い込まれた。
さらに、リクルートやサイバーエージェントなどが運営するまとめサイトも
同様に低品質なコンテンツの量産問題が発覚し、非公開に追い詰められた。
SEOとコンテンツ品質の見直し
問題は、低品質で内容に誤りのあるウェブコンテンツであっても
それが大量に作り出されれば、SEO的には大きな力を持ち、
検索で上位化することができるため、
ウェルクのようなビジネスモデルが生み出された、というところにもある。
グーグルは、日本で起こった「まとめサイト問題」に対応するために
2017年2月に、日本語検索に限定した「低品質コンテンツ」のページの
「評価を下げる」アルゴリズム導入を発表した。
特定地域に限定したアルゴリズムが導入されることは「まれ」であるが
いち早くの対応は評価される。
この変更により、検索順位の変動が起こり、
「低品質」であるとみなされるサイトが上位化しにくい仕組みが導入されている。
自分でファクトチェックを行うことが大切
ただし、検索エンジンはロボットであり、全ての記事が正しいかどうかのチェックは実際のところは不可能である。
たとえば、医療関係の記事であっても
医師により、研究者により、意見が分かれるものもあれば、
従来は正しいと思われていたことが
新しい発見などにより「全くの間違えになる」ということもあり得る。
WEBサイトに何らかの人々に影響を与えるコンテンツを提示する際は、
自らファクトチェックを行い、
その記事に対して発信者が「責任を負う」ことが大切になっている。
記事に最後に、記事責任者の名前を入れるなど
責任所在をはっきりさせることで緊張感をもって発信し、
状況の変化があれば、記事を最新のものに書き換えることも必要。
検索エンジンは、記事責任者の明記(資格等の明記)があるものを
より高く評価するアルゴリズムを導入している。
SEOにはコンテンツの品質が問われる時代に転換しつつあり、
コピペによる記事大量生産がビジネスとして成立する時代は終了した。